特別なものはいらない。家にあるもので始めるエシカルのヒント
「エシカルって、何か特別なものを買わなきゃ？」そう思っていませんか
エシカル消費という言葉を聞くと、オーガニック食品やフェアトレード製品など、少し高価なものや、普段立ち寄らないお店で売っているものを思い浮かべるかもしれません。もちろん、そういった選択も素晴らしいエシカルな取り組みの一つです。
でも、「良いことだと分かっているけど、正直、お値段がちょっと...」「毎週のように行くスーパーには置いていないし、探すのが面倒」「情報がたくさんありすぎて、結局何から始めたらいいか分からない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
毎日の生活に追われている中で、新しい習慣を取り入れたり、時間や手間をかけたりするのは、決して簡単なことではありません。エシカルに関心があるのに、そのハードルを感じてしまって、「私には無理かも」と諦めてしまうのは、とてももったいないことだと思います。
実は、家にあるものでもエシカルは始められます
エシカルな選択は、何も新しいものを「買う」ことから始まるだけではありません。今、あなたがすでに持っているもの、使い終わったものをどう扱うか、という視点も、大切なエシカルな考え方です。
「もったいない」の気持ちを大切にすること、これも立派なエシカルな取り組みと言えるでしょう。特別な知識や技術がなくても、少しの工夫で、日々の暮らしの中でエシカルを取り入れることができます。
お金をかけずに、無理なくできる「家エシカル」アイデア
具体的に、どんなことから始められるでしょうか。いくつかヒントをご紹介します。
アイデア1: 古くなった布や服を生まれ変わらせる
着られなくなった服、破れてしまったタオル、シミがついたシーツなど、捨てる前に少し立ち止まってみてください。
- 小さく切って「ウエス」に: 掃除用の雑巾として、とても便利に使えます。コンロ周りの油汚れや、洗面台の水滴を拭くのに最適です。使い捨てペーパーの使用を減らすことができます。
- 端切れで小物作り: 少し手間はかかりますが、シュシュやポーチなど、小さな小物に変身させることも可能です。ミシンがなくても、手縫いでできるものもたくさんあります。
アイデア2: 使い終わった容器を再利用する
ジャムや調味料の空き瓶、お菓子の缶、プラスチックの容器など、使い終わった後も活用できるものがあります。
- 保存容器として: ジャムの瓶はスパイス入れや、乾物の保存にぴったりです。見た目もおしゃれになります。
- 整理・収納に: 小さなネジやボタンを入れたり、文房具を立てたりするのに使えます。化粧品のコットンや綿棒を入れるのも良いかもしれません。
アイデア3: 食材を無駄なく使い切る工夫
野菜の皮やヘタ、芯など、普段は捨ててしまう部分も、実は美味しく食べられることがあります。
- 野菜くずで出汁をとる: 玉ねぎの皮、人参のヘタ、セロリの葉などを集めて煮込むと、風味豊かな野菜だしになります。スープや煮込み料理に使えます。
- 大根や人参の葉をふりかけに: 細かく刻んで炒めると、ご飯に合うふりかけになります。栄養も満点です。
アイデア4: 壊れたものをすぐに捨てない
電化製品などの大きなものは難しいかもしれませんが、洋服のボタンが取れた、靴下が少し破れた、といった小さなトラブルなら、自分で直せる場合もあります。
- 繕ってみる: 穴が開いた靴下や、ほつれた服を自分で縫ってみましょう。少し手間はかかりますが、愛着も湧きますし、物を大切にする気持ちが育まれます。
- リメイクを考える: もう着なくなった服でも、丈を変えたり、飾りをつけたりすることで、新鮮な一着に生まれ変わるかもしれません。
みんなも試行錯誤しています
「でも、結局面倒になって続かないかも...」そう感じる方もいるでしょう。実は、多くの人が完璧にできているわけではありません。
例えば、「最初は布切れをウエスにすることから始めて、今はそれが習慣になりました」という人。 「ジャムの空き瓶をいくつか再利用してみたけれど、結局たまっちゃって、全部は無理でした」という人もいるかもしれません。 「野菜の皮で出汁をとってみたけど、やっぱりちょっと苦手で、無理せず捨てています」という声もあるでしょう。
完璧を目指す必要はありません。全ての食材を無駄なく使い切らなくてもいいですし、全ての容器を再利用する必要もありません。できることから、気が向いた時に、少しずつ試してみる。それが、無理なく続けるための秘訣かもしれません。
「自分だけじゃないんだな」「みんなも、できる範囲でやっているんだな」そう思っていただけたら嬉しいです。
まずは、今「捨てようかな」と思ったものを手に取ってみませんか
エシカルな暮らしは、高価なものに囲まれることでも、全てのルールを守ることでもありません。今、あなたが持っているもの、目の前にあるものを少しだけ大切にしてみること。それが、無理なく、楽しく続けられるエシカルの第一歩です。
家にあるものでできることは、探せばたくさんあります。まずは「これ、まだ使えるかな？」「何か別のことに活用できないかな？」と、少し立ち止まって考えてみてください。
完璧じゃなくて大丈夫です。あなたができることから、あなたらしいペースで。このサイトは、そんなあなたの試行錯誤を応援しています。一緒に、それぞれのペースでエシカルな暮らしを探していきましょう。